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紙魚の王
  千葉
辞書の話 -15
2016/06/10 16:50

和英併用の国語辞典というものがある。いわゆる「実用辞典」というやつだ。

随分昔だが、ドングリについて調べていた事があった。(仕事には一切関係ない、完全に趣味の領域である。念のため。)

家にあった実用辞典でシイ【椎】の英訳を調べてみた。
『実用国語辞典』(角川文庫)ではチンカピン。綴りはchinquapin。
『実用辞典』(講談社文庫)ではパサニア。綴りはpasania。

この二つの単語を家にあった『新英和大辞典』(研究社)で引き直してみた。

チンカピンはチンカピングリというクリの一種。シイではない。一方のパサニアは…載っていない。
あれ?

後日、館山市立の図書館へ行ってみたが、図書館所蔵の英和大辞典は俺の家にあるものと同じものだけ。

仕方なしに今度は(反則技だが)本屋さんに直行。辞書の立ち読みに。(○○書店さん、ごめんなさい。)

『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)記載なし。『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)記載なし。『キャンパス和英辞典』(講談社)では【椎】の項目にpasaniaは載っているのに同規格の『キャンパス英和辞典』には載っていない。
『英訳つき 国語総合新辞典』(旺文社)には【椎】の英訳としてpasaniaが載っている。

「和英」には載っているのに「英和」には載っていない。何だこの単語?解らないまんまでは気持ちが悪い。

そして意地になった。
植物図鑑の類いを片っ端から丹念に調べてみたら…載っていた。マテバシイの古い学名(ラテン語)である。今はほとんど使われていないようだ。語源はインドネシア語で、言語としては英語でもラテン語でもない。そしてマテバシイはマテバシイ属。シイ属とは別物だ。

結論。チンカピンもパサニアも【椎】ではない。

以上。

あー、やれやれ。

( ̄▽ ̄;)

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