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紙魚の王
  千葉
山吹色
2016/04/12 15:55

ヤマブキ(山吹)。

日本語では「色」を表現する言葉は植物の名前に由来するものがかなり多い。

思い付くまま列挙すると、
桜色、桃色、菫色、藤色、檸檬色、橙色、茜色、藍色、浅葱色、などなど。

山吹色もその一つ。



「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」
『後拾遺集』にある兼明親王の歌である。
太田道灌が鷹狩りの際に雨に遇い、農家に立ち寄って簑(みの)を借りようとしたところ、出てきた娘が無言でヤマブキを差し出した。
道灌は激怒したが、後にこの歌を知り自らの無学を知り恥じ入った。

ヤマブキは八重咲きのものには実が付かない。「実の一つだになきぞ」とは「簑一つも無い」という意味(掛け言葉)であった。

このような教養を現代人は忘れてしまっている。ややもすれば、ヤマブキを見てもヤマブキと気付かない人もかなりいるのではないか。

教養を失った人間が「田舎暮らし」だの「スローライフ」だのとカッコつけていたら、道灌を恥じ入らせた農家の娘さんに笑われてしまうかもしれない。

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